恋に、目を瞑るな
私はすぐ人を好きになる。
でも、心の中にとどめる。
目を瞑っているとも言える。
お酒の力を借りないと淡い好意も伝えられない。
酩酊するほど飲んで、やっと私の壁は崩れる。
そんなこんなで手に入れた相方がいる状態を無意識にキープして、
誰からのアプローチもブロックした。
誰かにアプローチすることも禁じた。
私はあまりにもすぐに人を好きになるから。
そんな理由で、当たり前の恋心を禁止した。
そうするうちに、私は私の気持ちを見失った。
人の気持ちも見失った。
誰も愛せず、愛されもせず。
淡い恋心をくすませて澱のように溜めて。
身動きも取れずに、今ここにいる。
遠くの手の届かない誰かに恋い焦がれるのは、傷つかなくて楽だ。
手に入らないとわかっても、状況はなにも変わらないのだから。
恋に目をつぶり続ける限り、私は愛を知れないのだろう。
これ以上、恋に目を瞑るな。
傷つきながら進めよ。