who are you?

自分が何者かになっていく過程の記録。題は梨木香歩著裏庭の中の台詞から。

しあわせな今について。

私は一体どうやって生きていきたいのかと思い悩みながら床に着いたら、不思議な夢を見たので軽くメモしておこうと思う。

 

それは祖母が、私の振袖を選ぶために展示会に行き、その展示会に一緒に行った祖母の友人と話している時の情景だ。そこに私はいない。

祖母の友人が、あの着物がほんとによかったよあれにして良かったと言っていた。

祖母は、本当に。私は1度もあんなに良いものを着たことがないと言っていた。

 

実際、私はその展示会で1番大事そうに飾ってあった振袖を興味本位で試着してしまい、やはり良いものは良いもので、着物好きな私と祖母はそれに魅せられてしまい、祖母はそれを買ってくれたのだ。

さすがに高かったので、私は辞したのだけれど、祖母はもうこれにしなさいと言って聞かなかった。

 

きっとそれは、私がいなくなった後に本当にかわされたであろう情景だ。

 

祖母は本当に、きっと振袖を着たことがなかった。嫁入りの白無垢も着たことがなかったそうだから。それは祖母の葬儀の時に知ったのだけれど。戦後の混乱の中で結婚した多くの夫婦が、そうだったのだろう。地道な努力で、相応に豊かになった人だった。

 

よい着物は、夢占いによると幸福の象徴だと言うことらしい。そして、祖母の夢は警告夢だと。

 

世の中は今、実に幸せで、豊かだ。

私はその只中にいて、それを享受している。

 

その事を、忘れちゃいかんという意味なように思えた。あとは、早く大人になれと言われてるのかな。

 

解釈違ったらまた現れてくれるだろうか。

祖母は私を甘えさせてくれた、唯一の肉親なのだ。いつだって、会いたいのである。