who are you?

自分が何者かになっていく過程の記録。題は梨木香歩著裏庭の中の台詞から。

学びのペースと世界の速さ

早朝は輝かしくに晴れていたのに、家を出たら雪がちらついていた。
向こう側が恋しい。春はいつだろう?
f:id:iohls:20160202100916j:image

少し落ち着いて、じっくり物を考える余裕ができた。
ここを去るまでの間に、どうやって仕事を片付けるか計画しなくてはいけない。

何かをするには、そのための下調べがいる。それは原理だったり、過去の例だったり、色々。
自分でやってみようと思って初めて、自分にはその知識がないことに気がつく。

だけど、だんだんと、「あ、これ前もわからないって思ったな」と思うことが増えた。

あまりにもいろんなことに手を出しすぎると、1人ができる事の深さは減ってしまう。
広く、浅く。周りの早く!に答えるために。
浅く、早く。
私は作業員になった。

それが完全に悪いとは言わないけど、すばらしくはなかったと思う。
もっと丁寧に、一つ一つに取り組むべきだった。というか、取り組みたかった。でも、のんびりとしか進めない私には難しかった。

早く、深く。
そんな学びを身につけるべきだったんだろう。
どんなに短い時間でも出来る!と信じて、やりきらなきゃならなかったんだろう。

世界は私のペースで回ってくれない。
ずっとそう思っていた。

私は今、わからなかったことをわかるようになりたい。せっかく、わからないことを認識できているのだから。




四年前、卒業パーティーで、

一年勉強してみて、どうですか?
少しはこの分野のことがわかりましたか?

と訊かれた。

私は

そうですね、自分が何にも分かっていないことはわかりました。

と、やっとかっと答えた。
すると、

そうですか。それは、少しはわかるようになったということですね。

と微笑まれた。


そう言った人の、勉強すればするほどわからないことが増える感じと、私のそれは、あまりにもレベルの違うものだっただろう。

今も、結局全然追いつけていない。

私はここまで、世界の速さに追いつきながら、学びのペースを構築できなかった。

でもやっぱり、学びたい、わかるようになりたいんだって、色々済んで、やっとわかった。
誰かの何かに応えるためではなく、ただ、私が知るために。

だって私は作業員じゃない。
意志を持った一人間なんだから。

これから、意識して、世界の速さと折り合いをつけて、きちんと学んでいこう。

でも、願わくば世界よ!もうちょっとゆっくり回れ!