学びのペースと世界の速さ
早朝は輝かしくに晴れていたのに、家を出たら雪がちらついていた。
向こう側が恋しい。春はいつだろう?
少し落ち着いて、じっくり物を考える余裕ができた。
ここを去るまでの間に、どうやって仕事を片付けるか計画しなくてはいけない。
何かをするには、そのための下調べがいる。それは原理だったり、過去の例だったり、色々。
自分でやってみようと思って初めて、自分にはその知識がないことに気がつく。
だけど、だんだんと、「あ、これ前もわからないって思ったな」と思うことが増えた。
あまりにもいろんなことに手を出しすぎると、1人ができる事の深さは減ってしまう。
広く、浅く。周りの早く!に答えるために。
浅く、早く。
私は作業員になった。
それが完全に悪いとは言わないけど、すばらしくはなかったと思う。
もっと丁寧に、一つ一つに取り組むべきだった。というか、取り組みたかった。でも、のんびりとしか進めない私には難しかった。
早く、深く。
そんな学びを身につけるべきだったんだろう。
どんなに短い時間でも出来る!と信じて、やりきらなきゃならなかったんだろう。
世界は私のペースで回ってくれない。
ずっとそう思っていた。
私は今、わからなかったことをわかるようになりたい。せっかく、わからないことを認識できているのだから。
四年前、卒業パーティーで、
一年勉強してみて、どうですか?
少しはこの分野のことがわかりましたか?
と訊かれた。
私は
そうですね、自分が何にも分かっていないことはわかりました。
と、やっとかっと答えた。
すると、
そうですか。それは、少しはわかるようになったということですね。
と微笑まれた。
そう言った人の、勉強すればするほどわからないことが増える感じと、私のそれは、あまりにもレベルの違うものだっただろう。
今も、結局全然追いつけていない。
私はここまで、世界の速さに追いつきながら、学びのペースを構築できなかった。
でもやっぱり、学びたい、わかるようになりたいんだって、色々済んで、やっとわかった。
誰かの何かに応えるためではなく、ただ、私が知るために。
だって私は作業員じゃない。
意志を持った一人間なんだから。
これから、意識して、世界の速さと折り合いをつけて、きちんと学んでいこう。
でも、願わくば世界よ!もうちょっとゆっくり回れ!