who are you?

自分が何者かになっていく過程の記録。題は梨木香歩著裏庭の中の台詞から。

取り戻せないこと



誰も悪くなかった。

人と人との関係性の作り方には大いに問題があったけど、それは悪意じゃなくて不器用さから生まれたものだ。

運が悪かっただけだった。

私が、何ができるわけでもなかった。

だけど、

私は結局何もできるようにならなかったという現実が、自分で問題を解決しようとしなかった事実が、逃げたことが、まだつらい。

あのとき、こだわって、逆らって、もう一踏ん張りなぜできなかったのだろう。何で一人でも頑張れなかったんだろう。納得するまで、やりきれなかったんだろう。

私は、何のためにあそこにいたんだ。

上手くいかなかったことで、その途中で得た知識と経験を糧にできなかった。


悔しい。


これが初めてじゃない。
結局私はまた、逃げ続けてしまうんだろうか。優しそうな人に匿われるのを利用して。
優しそうな人の、優しさと言う名の自己防衛を利用して。

本当は、私はもうちょっとだけ、真摯に対応してもらいたがっている。
それが私の表面的な価値を落とそうとも。

なのにもう、怖くなってしまった。正直で真摯な一言が。


最初に逃げたのはいつなのだろう。

取り戻せない、その最初の一回目。
その時、私は社会に少し馴染んだんだろう。

かなうことなら一回目逃げそうなまさにその瞬間の私に、思いっきりビンタくらわしに行きたい。

ちょっともう馴染みすぎてぬるま湯で、抜け出せなくなったバカで愚かな私にはならないように。