who are you?

自分が何者かになっていく過程の記録。題は梨木香歩著裏庭の中の台詞から。

綿毛の籠 何てことは無いけど美しいものたち

毎週ブログを更新するって、ましてや毎日更新するってすごいことなのだとやってみてわかった。なんでもやってみなきゃわからないものだ。
で、三投稿坊主をぶち壊したいので書いている。とりとめも無い日常の話。

最近はずっとおぞましいくらい晴れていたのに、今日は雨が降った。土地がずんずん水を吸う、良いことだ。何事もバランス。

でも美しい七夕飾りが濡れてしまっただろうというのは少し寂しい。この土地の七夕飾りは実にボリューミーで、じっとりと雨を吸い込みそうだ。雨が降ってもおかしく無い時期の祭りなのに、なんであんなに雨に弱い飾りなのだろう。

それでも一月程雨ざらしにされた短冊と笹の色褪せもまた美しいのだけれど。一月飾るのは地元の習慣だ。もう少し質素な飾りを7月から飾って、旧暦のたなばたの、ちょうど今頃焼いてしまうんだ。

七夕飾りの美しさはその無秩序にあるなぁと思っている。民家の軒先に絡まりながら吹かれる色とりどりの短冊。決まりはあるが、どの節句の飾りよりも無秩序だ。笹を基盤にしているのが大きな要因だと思う。

今日の雨でもう一つ残念なのはこの籠が壊れてしまったであろうこと。
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すかすかの綿毛である。あまりにすかすかなので、綿毛で籠を組んだみたいに見える。
これがこの荒地中にぽわぽわと浮かんで、強い日差しに、ふわりと輝いていた。恐らく、この構造は雨には耐えられないだろう。ぐしゃぐしゃになっても乾けば飛べるから、植物自身は気にしないんだろうけど。

ただの雑草だ。控えめな黄色い花が咲いていた。草むしりするには厄介そうな強さがある奴だ。質素で剛健で、でもそういうものがふっと見せる可憐さにはっとする。ちょっとした空き地は、美術館よりも美しい。

この雨でいろんな花が落ち、草が倒れただろうけれど、また新しく何かが現れる。自然は驚異的だ。



ほんとうは、一生ひたすらこの驚異に、ただ、感嘆していたい。

自然のシステムにもっと、明らかに、組み込まれたい。

それでも私は人間で、雑多な欲が渦巻く社会を離れられない、欲深く弱々しい生き物の一つだ。毎日この驚異のなかを静かに素通りし、冷房の効いたコンクリートとガラスの檻に籠り、外を眩しく見ながら、アイスクリームを食べたりするのだ。